「首相案件」とは、意味を解説。中村愛媛県知事<「備忘録」と認めた文書全文>が意味する問題とは?

18年4月10日朝、「本件は、首相案件」とする学校法人「加計学園」愛媛県今治市への獣医学部新設計画をめぐる新たな文書が見つかったと朝日新聞が報じた。さらに、同日夕方、朝日新聞は、中村愛媛県知事が「職員が作成したメモ」と認めた文書全文を掲載。「本件は、首相案件」文書の意味するところや、『首相案件』という言葉の意味とは?今回の文書発覚で何が問題となっているのか?

「加計学園」入学式、倍率は16.24倍「獣医学部がいかに強く望まれていたか」


(出典元:HUFFPOST

今月3日、国家戦略特区の愛媛県今治市で岡山理科大獣医学部を開学。志願者は延べ2366人で、合格者は計392人。うち、獣医学科の志願者は延べ2274人となり、定員の16.24倍に達し、加計理事長は入学式告辞で「いろいろとご心配をかけたが、予想を上回る志願者が集まった。獣医学部がいかに強く望まれていたかと再認識した」と、四国では初の獣医学部新設の意義を改めて強調。

入学式から1週間を迎えた18年4月10日朝、学校法人「加計学園」愛媛県今治市への獣医学部新設計画をめぐる新たな文書が見つかったと、朝日新聞が報じた。

朝日新聞(2018年4月10日朝刊)が報じた文書

文書は、2015年4月に首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)らと面会した愛媛県職員が作成したとされる記録文書である。なお、面会の日程と議事内容の要点は下記の通り。
(※なお文書全文については[朝日新聞デジタル2018年4月10日]からご覧いただけます。)

面会日程
2015年 4月2日AM11:00 愛媛県職員、今治市職員、加計学園幹部、藤原豊・現経済産業省貿易経済協力局審議官(当時は内閣府地方創生推進室次長)らが、内閣府で面会。
同日 PM3:00 愛媛県職員、今治市職員、加計学園幹部、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)らが、首相官邸で面会。
面会内容の要点
藤原豊・地方創生推進室次長(当時)が愛媛県、今治市、加計学園の各担当者と面会し、下記のように助言。「要請の内容は総理官邸から聞いている」「政府として、きちんと対応しなければならない。知恵を出し合って進めていきたい」「これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」「二、三枚程度の提案書を作成していただき、早い段階で相談してほしい」(東京新聞[2018年4月10日朝刊])

(ビビット 2018年4月11日)

柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の主な発言として、「本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」「自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件」などと記している(朝日新聞[2018年4月10日朝刊])。

 

中村愛媛県知事が「備忘録」と認めた文書全文の発覚による問題①

→特に、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の助言からは、「加計ありき」、「加計学園」の特別扱いが見え隠れします。ここで国民が疑問に思うのは、「本件は、首相案件」文書の意味するところや、『首相案件』という言葉の意味ではないでしょうか。今回の文書発覚で何が問題となっているのか?まとめてみました。

「本件は、首相案件」の意味するところ

元経産官僚・総務大臣秘書官で、現慶應義塾大学教授の岸博幸氏によれば、

(スッキリ!2018年4月11日)

『首相案件』とは、他にも「政府案件」「大臣案件」という類語があり、例えば、小泉内閣が、「行政改革の本丸」と位置付けた郵政民営化に関する案件を扱う際に、それは「首相案件」と官僚たちの中で使う言葉とされる。
大事なポイントは、『首相案件』と一口に言っても、意味合いが2つに別れるという点。一つは「優先性」、もう一つは「厳格性」である。「優先性」とは、「首相の言っていることだから、何としてでも優先すべき案件である」という意味。「厳格性」とは、「例えば、首相が絡んでいて、不正が発覚していたら大変なので厳重に扱うべき案件である」ことを意味する。

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仮に今回、柳瀬唯夫元首相秘書官が外部に向けて『首相案件』と発言したならば、前者の「優先性」を意味する言葉と認識した方はしっくりくるのではないかとした上で、その場合にも競技には<「加計学園」という特定のもの、「加計学園」という場所で獣医学部を新設するのか>あるいは、広義には<獣医学部の新設という岩盤規制を突破すること>を意味する。どちらの意味合いで使われたのかについては、不明瞭な点が残る。とのこと。(スッキリ!2018年4月11日)

文書をめぐり喰い違う”面会の事実”「面会はあったのか、なかったのか」

中村愛媛県知事が緊急会見[動画]

中村愛媛県知事「文書は備忘録」⇄柳瀬唯夫元首相秘書官 面会否定

4月10日、愛媛県の中村時広(なかむら ときひろ)知事は、朝日新聞の報道などを受けて緊急会見を開き、文書について、県職員が報告のための備忘録として作成したものと認めた。愛媛県職員により書かれたメモ=備忘録が、内容の通りだとすれば、2015年4月時点で、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が「首相案件」と言う言葉を使い「 国家戦略特区の方が勢いがある」などと述べたことが明らかとなるが、柳瀬唯夫元首相秘書官は、「私の記憶する限り、面会はしていない」と面会については完全否定。

柳瀬唯夫元首相秘書官 面会否定[動画]

(スッキリ!2018年4月11日)

会見での中村知事の発言によれば<15年4月2日に首相官邸を訪問した職員ら計4人から聞き取り調査を実施。うち1人が文書について「(知事への)口頭報告のために作ったメモ」で、「自分が書いたもの」と認めた。>とのこと。なお、記述の真実性について中村知事は<「職員が文書をいじる必然性はまったくない。全面的に信頼している」と強調。>

また、メモ=備忘録の存在については、<中村知事は文書自体は報告用に作ったメモで公文書ではないとし、庁内には現時点で存在を確認できない。職員の文書に「首相案件」の記述があったかは「覚えていない」としたが、「国全体が岩盤規制を崩す動きをしていると受け止めた」と当時の記憶を遡った。>

以上、中村知事の発言からは、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)らと面会した事実はあることがわかり、柳瀬唯夫元首相秘書官と発言に喰い違いがある。(参考元:朝日新聞

安倍首相の学部新設計画に関する発言に矛盾「本当は、計画を知っていた?」

なお、2017年 1月20日唯一の応募者だった加計学園に決定するまで、安倍首相は加計学園の学部新設計画について「この時に初めて知った」と説明(2017年7月25日、参院予算委員会で答弁)しているが、

2013年、安倍首相は河口湖畔で加計孝太郎氏(加計学園理事長)らとバーベキュー。

(出典元:HUFFPOST

さらに、2015年12月24日安倍昭恵氏がFacebookに安倍首相と加計氏らが懇談する写真を投稿。

(出典元:HUFFPOST

 

中村愛媛県知事が「備忘録」と認めた文書全文の発覚による問題②

これまでの、安倍首相と夫人による加計孝太郎氏との交友関係はご周知のとおり。<安倍首相の親友である加計孝太郎氏を特別扱いした>と見られる一方で、加戸守行前愛媛県知事は<京都や新潟など他の候補地と違い「加計学園」が12年間正当に努力していたので新設される1校に選ばれるのは当たり前の話。>と国会・閉会中審査で前川氏と議論(2017年7月10日)。しかし、今回朝日新聞が『学校法人「加計学園」愛媛県今治市への獣医学部新設計画をめぐる問題』に関する新たな文書を報じたことで、文書が作成された2015年4月、つまり2017年1月20の1年9ヶ月前に、安倍首相は、加計学園の学部新設計画について知っていたのではないか。という矛盾が生じることも問題となっている。なお、安倍首相はこれまで、「私が関与したと言っている人は一人もいない」(2017年10月)と強調している。

国家戦略特区の制度を使った学校法人「加計学園」愛媛県今治市への獣医学部新設計画をめぐる経緯年表

2007年〜15年まで愛媛県今治市「構造改革特区」に学部親切を15回申請していたが、いずれも却下。
2015年4月 愛媛県、今治市、加計学園の各担当者が柳瀬首相秘書官(当時)らと面会か?
2015年6月4日 愛媛県、今治市が国家戦略特区での学部新設を提案
2015年6月30日「日本再興戦略」の改訂を閣議決定。「4条件」を付した「獣医師養成系大学・学部の新設検討」が盛り込まれる
2015年12月24日安倍昭恵氏がFacebookに安倍首相と加計氏らが懇談する写真を投稿。
2016年 文科省は獣医学部新設に慎重姿勢
2016年1月29日今治市、国家戦略特区に指定される
2016年9月16日文科省、国家戦略特区ワーキンググループで「具体的な需要が明らかになってから検討」と獣医学部新設に慎重な姿勢示す。
2016年9月26日内閣府、文科省の関係者が打ち合わせ。文科省、2018年4月の獣医学部開設が前提だと「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと内閣府から伝えられたという文書を作成。
2016年11月9日国家戦略特区諮問会議で「広域的に存在しない地域」での学部新設を認める方針が決まる
2017年 1月4日内閣府と文科省、今治市での獣医学部新設を特区に認定。事業者の公募を開始。
2017年 1月20日
・唯一の応募者だった加計学園に決定
・安倍首相は加計学園の学部新設計画について、この時に初めて知ったと説明(2017年7月25日、参院予算委員会で答弁)
2017年5月17日 朝日、加計問題で「総理のご意向」報道(朝日新聞が加計学園の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」「官邸の最高レベル」などと記された文書の存在を報道。「加計問題」めぐる報道が始まる)
2017年6月15日 文科省、「総理のご意向」文書の存在認める
2017年7月10日 国会・閉会中審査で加計学園問題を議論
・前川氏 「平成30年4月開学が大前提だった」「初めから加計学園に決まるよう進めてきたとみえる」
・加戸氏「『加計ありき』と言うが、12年前から声をかけてくれたのは加計学園だけ」「愛媛県にとって12年間、加計ありき。ここ1〜2年の間で『加計ありき』ではない。愛媛県の思いが、この加計学園の獣医学部に詰まっている」
2017年11月14日林芳正・文科相、加計学園の獣医学部の新設を認可
2018年 4月3日加計学園、岡山理科大・獣医学部で入学式
(引用元:HUFFPOST

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